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語学に関する素朴な疑問など
by xabon
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びっくり

島谷師匠の「島谷的舞録゙」(http://qin.seesaa.net/)によると、「びっくり」の語源はドイツ語の Wirklich だそうである。テレビの「クイズ!日本語王」という番組でやっていたそうだ。島谷師匠の希望につき、今回はこの「びっくり」を取り上げます。

私はテレビのいうことはあまり信用しないことにしている。とくにこういう「教養番組風バラエティ」。諸説あるなかで自分たちに都合のいい説をもってきて「これこれこういう次第でござい」と、他説を無視して一方的にこうだと面白いなあと思うところだけ強調するという調子の番組が多いような気がするから。「面白ければいい」というのはフジテレビだけではないような気がするぞ。ま、人のことは言えないんですけどね。

第一次世界大戦でドイツが負けたとき、ドイツ人の捕虜が Wirklich と叫んだことから、驚くことを「びっくり」というようになったというんだが、ドイツが停戦を求めたのは1918年10月とWikipediaに書いてある。

1916年に死んだ夏目漱石が、「行人」のなかで「吃驚」と書いているようなので、どうも上記TV説は眉唾じゃないかと思うんである。漱石全集などは持っていないので、インターネットで検索しただけであるが、「青空文庫」とかいうところhttp://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/775_14942.htmlに掲載されているものをみると、
「自分は二人の後(あと)に跟(つ)いて、こんな会話を聴(き)きながら、すばらしく大きな料理屋の玄関の前に立った。自分は何よりもまずその大きいのに驚かされたが、上って案内をされた時、さらにその道中の長いのに吃驚(びっくり)した。」
という文章が第8章に出てくるようである。

「行人」は1912年から翌年にかけて新聞連載された小説なので、多分ドイツが第一次世界大戦に負けるより早く、漱石は「吃驚」という言葉を使っていたのだと思うわけである。
オウム真理教報道で死んでしまったテレビ局のいうことなど、100%真に受けないことをお勧めします。
by xabon | 2006-09-08 20:34 | 日本語
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