英語では do not が don't,are not が aren't,I would や I had が I'd などと縮約されるが,もっぱら会話の場合に使われるもののようで,公的な文書では縮約形は使わないことになっているようだ。
初めてフランス語の文書(何かの論文でした)を見たときに ce n'est pas ... などという形がたくさん出てきて,「むむ,英語と違う」,というのが第一印象。
しかし必要に迫られたとはいえ,語彙も文法もなにも知らずにフランス語の文献を読もうとしたのであるから無茶苦茶である。a が avoir の直説法三人称現在形であることも知らず,フランス語の冠詞だろうか,などと思ったりしたような気がする。
フランス語の ' で語をつなぐ形(エリズィオン)は正式な書式なのであった。Je ai は必ず J'ai と書かなければならず,Je ai と書くほうが間違いなのですね。これはフランス語で母音が続くのが嫌われる,という特徴によるものらしいのでフランス語以外にはあまりないことかもしれない。少なくともドイツ語やスペイン語では ' でつながった語というのはみた記憶がないが勉強不足なので断言できないのが悲しい。
フランス語には前置詞と冠詞の縮約形というのもある。à + le が au になったりするものである。(前にも書いたが,Lはどこに消えたのだろう? Uはどこから出てきたんだろう?) こういうのも英語にはなかった。ドイツ語にはそういえば似たようなことがあったような気がする。スペイン語でも a + el で al になったりするようだ。
同じヨーロッパの言語でもいろいろ違うものだ。違うから別の言語として勉強しないといけない訳だが。