さて,その後いくつかの本を読んでわかったことであるが,カ行,ガ行の音というのは舌根部と口蓋部をくっくけて息を止めたのちそれを開放させて出す音のようだ。韓国語では終声のᄀは息を止めただけで開放はしないようだが,それを言い出すとややこしくなるのでその話はあっちのほうに置くことにしよう。この,口蓋に舌根がくっつく位置が,子音に続く母音によって変わってくるらしい。aは口の奥の方で発せられるので「カ」の時の子音を発音するときには舌根はかなり奥の方で口蓋にくっつく。「キ」のiは前のほうで発せられるので前もって子音を発音するときの舌が前寄りになる,など。おおむね「カ」「コ」が一番後ろで,「ク」ではやや前に来て,「キ」「ケ」が一番前寄りで発音されるようだ。それがさらに前に寄りすぎると「キ」「ケ」が「シ」「セ」になる,ということであろうか。フランス語でcaは「カ」なのにciが「キ」でなくて「スィ」になる訳が,少しだけわかったような気がするが,気のせいかもしれない。
iraqやqatarの国名にあえてqの文字を使うのもこの辺に鍵があるのかもしれない。